後期研修
プログラム

総合診療専門医(日本専門医機構)

当科の後期研修は日本専門医機構認定「奈良県立医科大学総合診療専門医後期研修プログラム」に基づき、総合診療専門医の養成を主軸に置き、外来・病棟・救急・小児・地域の多分野において力を発揮できる医師を養成することを目標としています。
当プログラムは大学病院24か月(内科+総合診療Ⅱ)、救急研修3ヶ月、小児科研修3ヶ月、地域研修(総合診療Ⅰ)12か月(最小6か月)、選択研修6ヶ月の計4年間のプログラムです。選択研修では、外科・整形外科・産婦人科・精神科・皮膚科などの各科で研修を選択したり、あるいは地域研修を延長したりするなど、後期研修医の希望に応じて調整が可能です。

奈良県立医科大学総合医療学 総合診療専門医後期研修プログラム 一例【研修期間:4年間】

専攻医 1年目

                       
総合研修Ⅱ(奈良医大 総合診療科)

専攻医 2年目

                       
内科Ⅱ(奈良医大 総合診療科 各内科)

専攻医 3年目

                       
救急科 小児科 総合診療Ⅰ(地域)

専攻医 4年目

                       
総合診療Ⅰ(地域) 選択研修 選択研修

大学病院の研修では、診断が確定していない症例、どの専門科にも当てはまらないような症例、複雑な病態や社会的背景をもつ症例など、さまざまな困難な事例について、上級医の指導のもと主治医として診療にあたります。外来症例は毎日のカンファレンスで振り返りを行っており、上級医による密な指導が入るようになっています。病棟では軽症患者からICU管理が必要な重症患者まで、急性期疾患の管理を主に行います。また当科は奈良県立医科大学附属病院が掲げる「24時間365日ER」にも参画しており、二次救急の対応についても責任ある立場で行います。 大学病院の上級医には総合診療専門医および指導医のほか、家庭医療専門医・指導医、内科専門医・指導医、救急専門医、リウマチ専門医・指導医、感染症専門医、内分泌代謝専門医・指導医など、さまざまな資格を持つ者が在籍しており、総合診療の根幹となる考え方を多角的な視点から指導します。総合診療領域において、大学病院でしか経験できないような重症例、稀な症例、複雑な症例、不確実性の高い症例を経験し、実力を伸ばすことができます。
救急研修は上記のERで基礎を学ぶほか、後期研修医の希望によって当プログラムで連携している救急科で3か月間の研修を行うこともできます。実際に市立奈良病院や奈良県総合医療センターで二次救急を学んだ方や、和歌山日赤病院で集中治療を学んだ方もいます。
小児研修では当プログラムで連携している小児科で3か月間の研修を行い、小児科の基本的な知識や診察、ワクチン接種など地域で必要な技能を学びます。最近では市立奈良病院、済生会中和病院、大和高田市立病院、八尾市立病院(大阪府)などで研修を行っています。
地域研修は地域の診療所で12か月間(またはそれ以上)勤務し、診療所という住民との距離が近いシチュエーションで医療を行い、往診・在宅医療について深く学び、また施設によっては管理者として施設管理業務や行政との折衝なども行います。当プログラムではこれまで多数の施設と連携しており、明日香村国保診療所、宇陀市東里診療所、奈良市都祁診療所、へいせいたかとりクリニック、東通村診療所(青森県)などで研修を行っています。

将来の日本を担う総合診療専門医に興味がある方、
ぜひ古都奈良の地で一緒に総合診療を深く学びませんか?


●総合診療専門医と並行して取得可能な専門医資格

内科専門医(日本専門医機構)

日本専門医機構により総合診療専門医と内科専門医のダブルボードが可能となっています。総合診療専門医後期研修プログラムを修了後、さらに2年間(上記の総合診療Ⅱをカウントする場合は1年間)の内科研修を行うことで内科専門医を取得できます。2025年度現在4名の専攻医が総合診療専門医取得後のダブルボードのための内科研修を行っています。

新・家庭医療専門医(日本プライマリ・ケア連合学会)

当科では2013年度から、日本プライマリ・ケア学会認定の家庭医療後期研修プログラムを行っております。現在は新・家庭医療専門プログラム「奈良県立医科大学総合医療学 総合診療医・家庭医研修プログラム」(認定番号020-153)を行っており、新・家庭医療専門医の取得を目指すことができます。
当プログラムは上記の総合診療専門医プログラムと並行して進めることができ、最短で同時に受験も可能です。

病院総合診療専門医(日本病院総合診療医学会)

当院は日本病院総合診療医学会が認定する基幹病院であり、病院総合診療専門医プログラムを履修することも可能です。


●サブスペシャリティ

上記の資格に加え、学会専門医(サブスペシャリティ)の獲得を目指すことが可能です。当科には感染症専門医(日本感染症学会)やリウマチ専門医(日本リウマチ学会)などを取得した上級医も在籍しています。


●大学院進学

当科では大学院への進学も可能です。各個人の希望に応じて基礎医学、臨床医学いずれの研究も行えるようサポートします。当科の基礎研究としては血栓止血にかかわる因子、特にVWF(von Willebrand因子)やADAMTS13(a disintegrin-like and metalloproteinase with thrombospondin type 1 motifs 13)に関する研究を中心に行っています。また、在宅医療に関する研究、不明熱やリウマチ膠原病疾患に関する研究も行っています。


●奈良県立医科大学附属病院 内科専門医プログラム

総合医療学講座に所属し、総合診療専門医に進まず、内科専門医を先に研修することも可能です。奈良県立医科大学で総合内科として研修を希望される方は当講座に所属し内科研修することが可能です(当講座以外は原則専門の内科系講座に所属することになります)。 奈良県立医科大学付属病院では当院を基幹施設とし、奈良県内全医療圏ならびに近隣医療圏にある医療機関(連携施設)と連携した内科専門医研修プログラムを用意しています。 このプログラムは新専門医制度に準拠した内科専門医研修プログラムです。この研修では、総合診療科のみならず、大学内の各内科や地域の医療機関をローテートすることで、幅広い内科疾患を経験し、総合内科医として活躍できる医師を養成することを目的としています。詳細は以下のホームページをご参照ください。

奈良県立医科大学附属病院 内科専門医プログラム

https://imtp.naramed-u.ac.jp/index.html)